みずうみの、
tomoaki.t




洞窟の中は星が咲き乱れる秋だった。
呼吸を止めて止めて止めて、それでも息を飲んだ。
鳥が一羽また一羽と、架かっていく。破裂を含むように、孕むように。
断層の線を睨んで、暗い夜に、昼に、頭骨の中に。
指先で引いた蛍光の輪郭でみずうみは、
息をするように潜ったり沈んだり。
そのリズムは秋の一部で、
ゆっくりと落命したり弾けるように笑ったり、
気配のような影を映す。
映して誂うように笑顔。つめたいな、
水面が、そうして冷たい日時計をつくり、
鳥の羽が、いびつな螺旋を描いて、
陽溜まりが水滴となって、
ぽつぽつと道が浮かびあがるなかを、
潜って、泳いでいく、手足の、
化粧が湖底に零れ落ちていて。
 
 
 


自由詩 みずうみの、 Copyright tomoaki.t 2011-11-17 22:06:27
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