さよならさつき
佐々宝砂

部屋の鍵なら 捨てちまったわ
待てと言われて 持つような
そんな女に なりたくて
あなたに惚れた わけじゃない

 もうしおれたわ さつきの花は
 それでも香る さつきの風に
 心放つわ さよならあなた

酔ったふりして ごまかさないで
嘘も見て見ぬ ふりをする
こんな女に なったのは
あなたのせいじゃ ないけれど

 もう潮時よ さつきは枯れた
 背中押すよな さつきの風に
 旅立つときよ さよならあなた

指輪なんかで 騙されないわ
運命なんか 信じない
そんな女に なってやる
わたしひとりで 生き抜くの

 もうおしまいね 今年の花は
 けれどまた咲く さつきが来れば
 花と開くわ さよならあなた







水名わさ美名義で発表。
いささか季節はずれで失礼。
ちなみにド演歌用の歌詞です。


自由詩 さよならさつき Copyright 佐々宝砂 2004-11-22 16:05:44
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