自由について
佐々宝砂

翼がほしいって
貴方は言う

力強い翼があれば
広い広い空を自由に羽ばたいてゆくだろう
そしてどこまでもゆくだろう
見たことのない大陸の
想像したこともない遠い空へ

それを聞きながら
私は不思議でたまらなかった

貴方は気づかないのね
気づかないまま
年をとってゆくのね

そこの曲がりかどで右にゆくか左にゆくか決めるのは
いつだって貴方なのに

私の目には翼が見えるの
貴方の背中に
道ゆくひとすべての背中に
道端で昼寝している老いた犬の背中にさえ

だけど私には翼がない
だから私は歩いてゆくわ
貴方のいない方角へ
ひとりで
自由に




パキーネ(Pakiene)名義で発表。ちなみにこれはポエム。


自由詩 自由について Copyright 佐々宝砂 2004-11-21 03:08:39
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ポエムス(パキーネ詩編)