深い河 ー僕のDeepRiverー
……とある蛙

もう骨身にしみて
地上の風景が分かっている我々。
地上には乾涸らびたバッファローの頭蓋骨
灌木に砂、掴むことの出来ない短い丈の草と
土煙を上げて往来するトラックの群れ
遠景に岩山が望めるが
そこに生えているものも灌木短い丈の草
水一杯無い荒野の中を
青空だけ見ながら
歩き続ける我々。

ようやく我々は深い河の間近にいる
そして、その
深い河を渡ろうとしている。
その河はとても深い河なのだが、
いつかその河を越えて
その河の濁流を越えて
向こう岸の約束された
眩い土地に辿り着こうと

そこは故郷ではないかも知れない

ほんのちょっとした距離なのだ
だが
我々にこの深い河を渡る橋は無く
河の濁流はこれ見よがしに河の岸壁に衝突し、
蛇行した河岸を削り取りながら流れ落ちて行く
しかし、恐れてはいけない
いつか向こう岸の約束の土地に行くのだ
今はとても辛くとも希望を持って
この深い河を越えて行こう
光輝く約束の地に

たとえそこが故郷ではなくとも


自由詩 深い河 ー僕のDeepRiverー Copyright ……とある蛙 2011-09-22 12:19:27
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