空振り三振
ぶらっくす たん


バットふれバットふれ
空振りでもいいからバットふれ


空を振れ
空を振れ

ふりでもいいから
空を振れ

そのうち
本当のことになるから


ビュンビュンって
真実の音が聞こえてくるよ
耳をすませば



空を振れ
空をきれ
裂け目から光がもれても
ただ
光の筋が見えているだけで
何も落ちてきやしないし
なんの意味ももたないから
自分からは落ちてこないから
自らとりにゆけ



バット振れ
バット振れ


血まみれになるまで
バット振れ

手ごたえがあっても
気にせず
バットふれ



真実のうめき声が
聞こえてくるまで



バットふれ
バットふれ

たとえ
へこむ音や
折れる音が
聞こえてきたとしても
まぎれもない真実だとしても



ハットかぶれ
ハットかぶれ
何事もなかったかのように
そして
バッターボックスから
退場








自由詩 空振り三振 Copyright ぶらっくす たん 2011-09-15 10:10:23
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