約束のように遠く
霜天
四角い壁掛け時計は、いつだってずれていく
誰よりも遅れて12時の合図を鳴らす頃
止まりかけのコンパスで、地図の上を迷っていた
地球儀はもう回らない、僕の中では使えない
新しく覚えた近道では
感情が使い古されている
僕等はいつまでもここにいるわけじゃないけれど
空に浮かべる歌を
リクエストするスピーカーの向こう側
遠くまで、聞こえます、聞こえます
乗り越えていくその先で
踏み越えていくその道で
水平線は一瞬で
裏返るように過ぎていく
僕等はここを、いつまでも繰り返すけれど
空に浮かべる歌を
空に浮かぶために僕へ
いつからか、いままでの、ここにあることを
約束ほどの軽さと重み
水平線がはっきりと
空に分けられて季節が変わる
重ねるのは時計の
ずれていく音の数だけ
またここで繰り返すまで、地図の上
遠くなります
遠くなります