夢の庭
佑木

おじいさんに ばらの枝を もらった

「土に挿しといたら 根が生えて
           やがて花が咲くよ」
と言われた

素直に 土に挿して 水をやった

春になったら ぐんぐん芽を出し
自分と同じ背丈くらいまで 成長した

「おじいさん だけのことはあるな 」
と 緑の鮮やかな葉をみる

枝は梅雨時になってピンクの花を
たくさん 咲かせた
夢の庭のように    天国のように

きっと大木になって ここが森になる
ような気がした

夏になると カナブンがやってきた
ある朝 ばらは 枝だけになっていた

冬になっても枝だけで立っていた

春になったら またぐんぐん芽を出し
自分と同じくらいまで 成長するだろうか

きっと梅雨時になったらピンクの花を
たくさん 咲かせるだろう

夢の庭のように    天国のように

そして 私がおじいさんになって
おまえに 言うだろう 

「土に挿しといたら 根が生えて
           やがて花が咲くよ」

すこしぐらいのことで
諦めるな くじけるなとは 言わない

夢の庭は ここにあるのだから

「土に挿しといたら 根が生えて
           やがて花が咲くよ」


そんな にんげん で きっと いよう


自由詩 夢の庭 Copyright 佑木 2011-08-27 15:54:44
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