夏の光
yo-yo

戻れそうで、戻れない
記憶をたどる
指のさきに、夏の
光があった。


光は
しずくとなって、
虹色の、かげろうをつくった。
ゆらめいて
いのちのかたち。
輝いて
一瞬を生きている。


夏の
光のさきに、
すきとおった羽根があった。
帰れそうで、帰れない
虫たちの
それぞれの夏が
ある。


光の
音階をなぞる
かげろうの、指を追った。
届きそうで、届かない
つくづくおしい、と
嘆いている
つくつく法師よ。


夏の光の
影はみじかい。







自由詩 夏の光 Copyright yo-yo 2011-08-26 06:16:32
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