扇動者
ホロウ・シカエルボク
誰かの不正を突っつけば
てめえの理性が名を上げる
そんな寝言を信じる馬鹿が
今日も角立つ声を出す
断罪はあらかた
裁く側の罪を
どれだげ棚上げ出来るかという、いわば
恥知らずの度合いに過ぎない
習ったことを
そのまま信じられる
幸せな連中が
襟を正して
対岸に立っている
老若男女、くり抜いたような
同じ目をして立っている
ハロー
見知らぬようで見知ってるような君よ
君の純粋に
君自身は含まれていない
断定出来る事象は
その程度のことなのだと認識しておけ
本来真実は
絶対にひとつところに留まったりしないものだ
たとえば
「戦争反対」と叫ぶやつらが
列をなして練り歩くさまは
表向きどちらの側にも立たないやつにしてみれば
軍隊とさほど変わりはしないだろう
規律と信念が行き届いてるぶんだけ
軍隊の方が見栄えも綺麗だろう
念願かなって
幸せになりたいんだろう
諦めないで叫び続けた
自分は正しく美しかったと
そのそばで
鼻をつまんでいる
たとえば家族や友達を
いつか
思いやれるようになるといいね
懸命さじゃない
どれだけきちんと
テーブルに並べられるかということなのさ