ミントティーと懺悔


暇な休日の午後は静かだから
通りを走る車の音と
入ってくる風のゆらめきが
時折 妙な空白をつくってくれる

不思議な夢から目が覚めたら
何度も記憶をなぞるように
おぼろげな記憶を
僕は不意に辿りだす

読みかけの本も開いたまま
ミントティーの香りに包まれる
悲しいくらい真面目な出来事は
今なお一層 辛くなる

橋の上を歩く人々が傘を開いた
きっともう濡れていたのだろう
脇を通る自転車
刺すような雨
それでも前へと飛び出していった

雷鳴が響く 
豪雨は地面を叩きつける
白黒する世界
跳ね上がる水の絨毯 
もう誰も歩いてはいけない


ささいなことから
世界は変わる
嵐が来る前に
僕は君に
何をしてあげられただろう


ミントティーを飲みながら
僕の心はいつまでも傘をさして
歩いていた
今度は もう嘘のように晴れあがった街にも
気付かずに

虹の中まで歩いていく







自由詩 ミントティーと懺悔 Copyright  2011-07-25 00:45:15
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