朝露と夜のブルー

夏の朝は早く光に包まれる
草むらの緑に残る
小さな水滴
頭上では
木々も深い呼吸をしている


夜が明けたら急ぎ足で
太陽の光は強くなる
人々も駆け足で支度を始める
セミが鳴き始めたら
入道雲も大きくなって
いつの間にか
朝露は消えてゆく



夏の夜にはいつまでも光が残っている
大空をうっすらと闇が染めて
街を静かな影絵にする
遠くまで光がゆっくりと
歩いていくように
木々も草花も
虫たちの飛行模様も
ブルーの中では影絵になる



静かな大地の中で
まだ光の差さない
柔らかな闇の中
ゆるやかに流れる時間
街の灯に変わりはない
振り返っても淡いブルー


波のように風が草むらを翻していく
夕涼みの夜
自由に瞬いて
飛んでゆこうと 

やがては
蛍も夢を見始める








自由詩 朝露と夜のブルー Copyright  2011-07-14 21:51:18
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