おかあさんへ
朧月

おかあさん誕生日おめでとう

不思議なことにこの言葉を
面と向かって言った記憶がない
おかあさんが生まれた日を
祝った記憶がない

おかあさんはいちごがすきと
知っていたけど買えなかった頃
こづかいの範囲で買えた
ハンカチをみて言った
おかあさんはいちごがすきなのに 
のあなたの口元だけを思い出す

嫌味にきこえる言い方を
してしまう(のだと思いたい)おかあさんの
娘に生まれたこと後悔してないよ

おかあさんはおかあさんの
人生歩んでると 思える歳になったよ
おかあさんは感じてないだろうけど

おかあさんにお願いです
私より早く死なないで
私やっぱり おかあさんの跡を継ぎたくないの
おかあさんの完結した
世界を応援してるよ
だけど私は私の
明日を生きていきたいの

おかあさんおめでとう
これからも私たち
薄まらない距離でいようね


自由詩 おかあさんへ Copyright 朧月 2011-02-23 08:53:50
notebook Home 戻る