「冬空の下で花の種をまく」
ベンジャミン

冬空の下で花の種をまく
乾燥して凍てついた大地に

ピリッとやぶいた袋の中には
同じように見えても違う一粒ずつの種が
寒さに震えるように寄り添っている

手のひらにひろげると
小さな風にもさわれてしまいそうな
そんな一粒たちが私を見上げている

これからどんなにか辛い日々が
いったい何日続くかわからない

いくつかは眠ったまま目を覚まさずに
いくつかは鳥についばまれてしまうだろう

けれど
そんな日々を耐え抜いて春は来る

きっと
そんな日々を耐え抜いた花を咲かせてくれる

冬空の下で花の種をまく
この凍てついた大地に

まるで自分の春を占うように
そっとまく
  


自由詩 「冬空の下で花の種をまく」 Copyright ベンジャミン 2011-02-03 02:11:25
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