天使の羽
暗闇れもん

この二つの塊を
天使の羽と勝手に名づけている

壁一面に沢山の羽を虫ピンで止めておく

壁一面に赤黒く
次第に崩れ落ちていく
干からびていく
かさかさした砂煙になって

いずれ姿を消してしまうだろう

貴女のように


この部屋に座り
壁を眺めていると
声が聞こえてくる気がしている

愛している
愛している
愛している

風向きが変わった

うそじゃないの
うそじゃないの

嵐が起こり
部屋はうずまく風につつまれる

羽ばたく
飛び出していく

姿を消そうとした

貴女のように


部屋はカーテンで1日中薄暗い

仕事から帰り
机上のライトをつける

天使の羽の影が大きくなる

影は徐々に侵食し
いつかわたしを壊すだろう

天使の羽のはばたきが聞こえる

わたしの唇から


自由詩 天使の羽 Copyright 暗闇れもん 2011-01-29 22:53:39
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壊した世界