月とふたり
暗闇れもん

浮かぶ月がため息と共に
夜空から滑り落ちてきた

ドアを開けて
夜露にぬれた土を踏み

蛍ほどもない
わずかな灯りを頼りに
震える光を抱きしめる

部屋に入り
お風呂を沸かし

静かに
ゆっくり
ハチミツ色の湯に光を浮かべる

ぷかぷかと浮かび
ゆっくりと伸びをして
ふんわりと湯船に広がる光


お布団にふたり
手をつないで眠った


眠りの中でふたり
夜空を飛ぶ


雲がさよならを言う

夜風がもうそろそろよと笑う

ふたりでなら
どこまで飛べるかしら

朝日が月を迎えに来る






自由詩 月とふたり Copyright 暗闇れもん 2010-10-12 23:30:35
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