雨戸
小川麻由美

お隣さん雨戸をガラガラ開ける
随分早いな
眠れないでいた私
もうそんな時間なのか

ギシギシいう身体を起こして
私は雨戸をガラガラ開ける
音の割にスルスル動く

すると一面に

ローズマリーが広がりむせるような芳香
驚いた私は目をパチパチさせた

いつもの風景

隣に居た猫は何事もなかったように
大きなアクビをしながら鳴く

少々オロオロした私だったが
レースのカーテンをキチンと閉め
始まりの朝を迎える

光の恵みが無くなった
お隣さん雨戸をガラガラ閉める
私も雨戸をガラガラ閉める

興味津々で寄って来る猫
猫にとっては結界
外に出る考えはない

結界

私にとっても雨戸が結界に思えた一瞬
今朝のローズマリーの広がりを
手に入れたいと思う私

明日からも

ローズマリーの広がりを
また目にしたい
淡い期待を抱きつつ日々過ごす
まばたきに気をつけなければ


自由詩 雨戸 Copyright 小川麻由美 2011-01-25 18:33:57
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