パネルマジックの女
はだいろ

12月18日(土曜日)
0:30
30分遅れて、高級店の、新人がやってくる。
写真では、清楚な女子大生、
実物は、声の低いガタイのでかい、
梅宮アンナ風の女。
完全なるパネマジ(写真修正)である。
外したくない年の瀬なのだけれど、
当たり、ハズレ、当たり、ハズレ、
の繰り返し。
でも気がついたのだけれど、
人生、そんなものなのだ。
ハズレが多いほうが、楽しかったりもする。
人生のスパイスというのは、実は、ハズレにあるのである。
日本は、AKBでもわかるとおりのロリコン文化大国だけれど、
梅宮アンナ風の女を抱くというのも、
文化の味わいではないでしょうか。
そんなに、悪い子ではなかった。
でも、この値段では、見合わないかなあ・・・

8:00
起きて、ご飯炊いて、洗濯して、お風呂に入って、朝ご飯を食べる。

10:30
渋谷に、「海炭市叙景」を見に行く。
初日なので、初回は立ち見になるということで、
2回目のチケットを買う。

11:00
時間が空いたので、「モネとジヴェルニーの画家達」の展覧会を見る。
入ってみて、ジヴェルニーという村が、
いわゆる芸術家村だったということを知る。
絵は、なんだか、
田舎のうつくしい風景が、
こころに染みて、すごくよかった。

12:00
ジュンク堂に行くが、でかすぎる本屋で、
かえって目的の本が見つからない。
ぼくはなるべく、本は、地元の、街の小さな本屋さんで、
買いたいと思っている。
こうゆう本屋は、嫌いだ。
でもけっきょく、本を買ってしまうのは、こんな大型店が多い。
水嶋ヒロの本を買う。
いろいろ言う人はいるけれど、ぼくは読むの、楽しみだ。

13:30
「海炭市叙景」の舞台挨拶。
舞台挨拶って、はじめて見た。
加瀬亮は、山田太一のドラマを見たときに、
すごくファンになったんだけれど、
実物も、えらくかっこ良かった。
映画も感動した。
41歳で死んだ佐藤泰志の原作は、
すごく若い頃に読んだのだけれど、
いま、41歳になって、
こうして映画として見るのも、
自分の運を感じる。
そう、ぼくが生きているのは、ただの運なのだ。

17:00
山手線が止まって、恵比寿から走らなければいけなかったけれど、
ウディ・アレンの新作に間に合う。
恵比寿のガーデンプレイスは、
イルミネーションのツリーがまぶしい。
そういえば、こないだ、職場の女性に、
一緒に、イルミネーションが見たいと、言われたのだった。
なんだか、
ごまかしてしまったけれど(どうにも、気がすすまなかったり、
すすみそうになったり、ゆれているのだ)
こんなツリーは、やっぱり、
誰かと見たいものだと、しみじみと思った。
ウディ・アレン「人生万歳!」は、
相変わらず、いや、
いつも以上に、最高、観客があんな爆笑するの、
終わった後に拍手するの、滅多に有るものじゃない。
しかも、いつも以上に、
メッセージにこころがずどんと射抜かれた。
人生、うまくいくなら、なんでもありだって。

19:00
恵比寿駅近くのライブハウスへ行って、
柴草玲というひとの、ライブを見る。
数少ない、動向が気になるミュージシャンのひとりなのだけれど、
たまたま、
今日の女の子を待つあいだに、HPを見たら、
ライブだというので、行くことにした。
いま、42歳。
(むかし、Coccoのヒット曲を書いた人である)
その4年ぶりの新曲のタイトルが、
「さげまんのタンゴ」って・・・
3時間立ちっぱで、
正直、ものすっごく疲れた。
なんか、音楽より、落語のほうが、今のぼくには、
ぴったりくるみたいだ。


23:30
帰宅。
「海炭市叙景」の帰りに、
ぴあのひとに、アンケートを求められたけれど、
あれ、写真とか載るし、
こうゆう詩を書いて、ばれたらいやだな、とおもったので、
断ったけれど、
ちょっと考えれば、わかるわけないし。
ボーナスも、
こうして、あっという間に、なくなったのでした。







自由詩 パネルマジックの女 Copyright はだいろ 2010-12-19 00:19:08
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