ゴースト(無月野青馬)

弄り過ぎて
崩れ落ちる
頬紅が似合わなくなる顔
孤島のような寂しさに
耐えられずダウジングしていたのだけれど
誰にも示し合わせていなかったから
今日も明日も見つめるだけで終わってしまう


中枢に致命的な欠陥のある雨に打たれる
どこで見ていたのか一人の少年が
孤島のような形をしたスナック菓子を袋ごと分け与えてくれたので
私はそれを食べながら鑑賞する
雨露に映っている私の顔を
鑑賞する私が鑑賞されていることにも気付いていて
似合わない頬紅を誇張する


砂丘に行けたなら
崩れ落ちる砂に
紙吹雪をまぶして
スナック菓子をまぶして
思い出の地だと思って
砂嵐にマフラーを託して
塗れ、塗れ、塗れ
日帰りをして
私は私と同じような粗末な肉塊の兄弟姉妹の
二重瞼の秘密を暴露する
暴露、砂埃、暴露


笑い顔を嫌ったのは
母親似だったからで
したり顔を嫌ったのは
父親似だったからだと
私は私を裏返す



自由詩Copyright ゴースト(無月野青馬) 2010-12-18 13:04:53
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