明晰夢
一 二

気分良く目覚めると
家は見慣れない感じで
人声が隙間を隔てた向こう側に聞こえ
その隙間を抜けて 
ある女の子が近づいて立ち止まり
私に手を差しのべた――

そこでさっきの
夢を思いだした――
女の子
よく知っている娘が
車のドアによりかかって
私の手を撫でた――

またこれからも
あの子と道ですれ違い
おたがいに世間話を交わすだろうが

私はいつまでも 
女の子の眼のなかに
あの日の穏やかな眼差しを
探し続けることだろう


自由詩 明晰夢 Copyright 一 二 2010-10-09 16:36:56
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