*葬式カラー
藤鈴呼

翌日に 外に出かけられないような傷を作るのは 
どうかと思うんです。

場所を考えているあたりが 
妙な臨場感に包まれていて。

これを誰に見せたって 私の傷は癒えやしないのならば
貴方が 負った傷を癒す術を知らずに

貴方は 私に 冷たくあたりましたが 
その冷たさが痛みだと知ってしまった今では
それも 何だか愛しく感じてしまう私が居ます。

貴方が本当にその傷を癒せるならば 
私という名の新たな傷を
貴方の中に作ってしまおうか。

でも あの人は 関係ないんだよね

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じゃあ あと何日かしたら電話するよ。
私が 生きているかどうか? 試すの?

いや・・・ 君ならば 何だかんだ言ったって 
生きているはずだよ。

どうでもいいけど もう 腕なんて切るなよ。
うん。

手首で駄目なんだったら 肘にしとくよ。

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貴方のドラマのクランクインがあがったならば
逢いましょう。

あと 半月かな。

俺の知っている人間で君の好みに合う人間は 
アイツしかいないよ。

だって 彼女居るんでしょ?
うん だけど 冷めてるみたいだよ。

よっしゃ 今だ!!

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貴方って 自己主張の激しい人間(ひと)でしょう?
どうして分かるの?

だって 唇が厚いもの。
はは・・・失礼だなあ。

ああ ごめんね。だけど私、そういう人間(ひと)大好きよ。
君は ・・・聞いたんだけど 詩人なんだって?

死・・・人ね。  そう 落書きなんだけれど。

苦しみとか悲しみとか色々書き溜めていって
跡に残るものって何なの?

さぁ・・ 哀かな。

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泥沼に引きずり込まれるように 貴方の声に惹かれてゆく

「お久し振りです。 今からお会いしませんか。」
私が今日休みだってこと どうして分かったんだろう

貴方には逢えないと 云う前に プッツリと途切れた回線を
眺めようとしていたけれど 私に超能力は存在しなかったから

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シャチとイルカの恋は網で閉ざされていた
無理矢理に芸を仕込まれて それでなければ食べれない

お客さんの移動の合間に寄り添っていた二匹が
何だか 私と貴方の影を 彩っているように見えた

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貴方とは長い長いドライブをした

マクドナルドのチーズバーガー 
二人とも大好きで 

貴方は合計9個も食べて・・・ 
おなか 壊さなかったかな

あの日 貴方と眺めたあの星空の見える位置に
座椅子を倒しながら何も語らずに眺めていたように

一緒に居る人間は変わっても 
星空は同じ暖かさを呉れていたよね

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あの娘はとても しっかりしていた。

そう言えば 私が 頼っていたような
いつも 彼女に 縛られていたような

私からは電話出来ないって それは 逃げなんだと思う
アイツと おんなじなんだと思う

ダークネスな闇を抱えたままの二人は同化していて
とてもお似合いなんだと思うよ

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いつものセーターを身に纏い 貴方は現われる

作業着を脱ぎ捨てて 
私の大好きな すずきの塩焼きをつつく仕草に
可愛らしい母性を感じられた 此の心だった

黒いのは 服装だけで 良かったんだね
心が白くなったのは 当たり前なんだね

いつまでも 葬式カラーに 彩られたまま いきよう

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自由詩 *葬式カラー Copyright 藤鈴呼 2010-09-28 00:38:26
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