「風車」
ベンジャミン

風がないので動けないのか
止まったままの風車が
申し訳なさそうに立っている

手のひらをめいいっぱい広げて
わずかな空気をとらえたら
小さな風が生まれた

見えない風が水田の上を走り
その先の池の水面を揺らし
やがて上昇して行く

そんな小さなものの集まりが
いつかめぐり来てこの風車を回すのだと
そう思うと何だか大きな事をしたような
そういう気分になれるのは

気のせいか少しだけ
目の前の風車が動いたように見えたから


自由詩 「風車」 Copyright ベンジャミン 2010-08-17 00:22:57
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