ごわごわ
藤鈴呼

おばあちゃんは パーマをかけてるの?
少女が触った髪
それは 髪、と言うよりも ごわごわの
大きなタワシのような 感触

昔は あなたみたいに
美しい 髪の毛だったのよ

ごわごわの中から かろうじて出すのは
顔の パーツ
目にかかる ごわごわの髪
息を吸う度に 吸い付く髪
言葉を発する唇の周りにも こびり付いている

しわしわの 指の隙間を するりと抜けるのは
美しい 少女の 髪の毛

どうして そんなに なっちゃったの?

真っ直ぐな 少しネコっ毛な 黒髪を
愛おしそうに もてあそびながら
老婆は 語る

契約を-- したんだよ
一つ 真実と違(たが)う度に
一本ずつ 歪んで行くように なってるんだ

その嘘はね 必要不可欠なことも有れば
自分本位で発することもある

いいかい 良く お聞き

世の中 必要な嘘も 
確かに有るけれども

嘘一つ 発する度に
髪の毛が 歪むように
心も 縮れて 行くんだよ

ピチッ。 少しの焦げ臭さと共に
目の前の髪の毛が 揺れた

たった10分の会話で 疲れ果てた老婆は
また 頑なに 口を 閉ざした
もう 二度と 嘘は 吐かぬと
懇願するかの様に


タイトル 或る嘘つき女の生涯
BY 星子アヤノさん
即興ゴルコンダ
投稿数 14 投票数 14 得票1

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

フライングヒューマノイド
電線に止まる影は
宇宙人の充電中なんだって
言いながら 笑ってる

あの頃 私 知らなかったの
地域によって 
違う単位なんだって こと

電気やガス
普通に 光熱費を 納めるだけ
記帳された データを
チェックする ダケだったから

見えるものだけを
信じては いけないと
あなたが 言ったわ

見えぬものばかり
神秘的に するなと
わたしを たしなめたのね

奇跡の 赤い糸も
ホログラムの 影の部分も
チクリと痛む 鼓動の意味も

全て 忘れて
息を 吸い込んだら
何が 見えて 来るのかな

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

* 有り合わせ エコ精神で 対処する

携帯の待ち受け画面に
自らの写真や画像を設定したことは
一度もありません

着信や 曲のダウンロードも
一度も ないなぁ

取り合えず 手元に有るもので精神は
エコと言うのか
ケチと呼ぶのか。

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

あんなに大好きだった紫煙に 嫌悪感
ようやっと 身体が
拒絶反応を 覚えたようで

プール後 爽やかに 外に出ると
目の前の 灰皿に群がる 人
の周りに 揺れる 影
と一緒に 立ち上る
煙 そして 臭い

やり切れんねぇ〜 と
かつての 迷惑隊だった 自分を
省みる 瞬間

自分が ヘビースモーカーだった頃は
目の前で 笑顔だけど 迷惑なんだろうな
の 表情も
感じながらも 結局は
見て見ぬフリ

今は 文句付けよう までは 思わないけれど
ちょっと 考えろよ〜 と 思いがち。
喉元過ぎれば〜 的 感覚 (ちょっと違

ホームセンターで
キャスター付すのこに乗って
試している おじさんが居た

無人島から 筏で 逃避行しているみたい
瞬時に そう 思う

むわっと来た 喫煙者の シルシ
きっと 自分では 分からないよね
喫煙ルームから 出た瞬間に
感じたことは 有るけれども
こんなにも 分かりやすいんだよって
ふと思う

途中までは 懐かしくって
指に埋もれた巻物を
思い起こす 日々だった

今 影に隠れた その思い
ビルの隙間から
二度と 出て来ないように 祈る

目の前で シャッターチャンスを狙う カメラに
笑顔の私 映っていきますように

昔 真っ黒だった 肺は
今 灰色だろうか

昔 まっさらだった 心は
腹黒く 染まって いないだろうか

そう考えて ハッとする
キライになった 訳じゃない
喫煙者も 周りに 沢山 居るから
共存すること 知って 居るから

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

ようやっと 先日 
今夏 初の 向日葵を 見たよ。

田舎で見た 向日葵みたいに 大きくなく
迷い込んだ 住宅地の垣根内で
ひっそりと 咲いていたけど

仲間達が 沢山 居たようで
寂しそうじゃ なかった

一匹狼みたいな 向日葵も
確かに 雄大で 素敵だけれど

楽しそうに 寄り添いながら 咲くのも
悪く ないよネ♪

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

空家じゃないよ

ちょっと 空飛ぶお家に 憧れちゃって
夢を見ながら 遊んでいた ダケなの

扇風機の風が 冷たいってのは
ただの イメージだったんだねぇ

こんなにも 汗だくで
今日は 二度もシャワーを 浴びちゃった

太陽の真下だったなら
素敵な七色の虹も 浴びれたのかなぁ
なんて
そんな はしたないこと したら
怒られちゃうけど、ネ

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

白鳥は 美しいんです
それは 白いからでしょうか

餌をあげっぱなしで 逃げて行く
旅人のような 観光客は
腹黒いのでしょうか

春になり 飛び立った後の池は
寂しさに 揺れる

その 一瞬のショットを 
透化処理して
海の藻屑と 一緒に 捨てたとき

十字を切って進む 白鳥の 落とした羽は
何色に 耀くのでしょうね

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

大きなコトを言うから 非難するんじゃない
到底 出来ないような コトだって

夢が有って 良いじゃないか
何時まで 子供じみたコト 抜かしてんだ

受け止め方は それぞれだけど
ふと 溜息を 吐く

一つのセリフが 
あまりにも 自分本位に 思えたから

そして 溜息を 吐く
そんな気持ちの 自分に向かって

もう一度 溜息を 吐いた

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

日曜日の ホームセンター
三連休の 真ん中に

大きな籠の 真ん中で
丸まっていた 4匹のネコ

3匹の 子猫なら 
イメージ ピッタリだったのに

現実は そう 甘くない

黒かったり 茶色かったり
斑だったり 可愛くなかったりもする

沢山の視線に 絡め取られて
今にも 足を 救われそうな
どうやったら 救われるのか
まるで 分かってないような

怯えたような 目つきを 
隠すかのように
どのネコも 寝静まっていた

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

散歩を スポーツとするなら
犬を飼うのも アリじゃないかと 思う
番犬 変わりにも なるし

其処まで考えて ハッとする
嗚呼 何の為の ペットなんだか

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

紙を 苦く 感じたら
書いてある文字を 眺めて御覧
きっと キツイ思い そのまんま
認められて 居る 筈だから

紙を 甘く 感じても
書いてある文字に 期待しちゃ駄目
きっと 食べかけの 飴の欠片が
こびり付いてる 其れが オチなの

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

ほうれん草が あったらなぁ・・・
青梗菜でも 良いねんけど・・・

トマトスープが ブームみたい

生ラーメンなのに
炎天下を 二時間くらい 散歩して

ようやく 冷蔵されて 二日後に
日の目を見ることになったんだけど
具材が 今イチで ねぇ

はるか 彼方 昔に 冷凍されてた
シーフードミックスのみで
食べて みますた

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

甘い 美味しい チョコレート
あのトキは もう 主役だったのに
この暑さでは 溶けて しまうだろうに

忘れ去られて 赤い 紙袋の中
ずっと 眠ってる

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°

難しいことは
良く 分からない

ただ 星が 綺麗だなって
感じるだけで

大きな 望遠鏡を
手にしたことも ないから

何処かの 曲みたいに
ロマンティックな シチュエーションは
感じられないけれど

見上げれば 何時も
星の見える 町で 過ごした日々が
こんなにも 懐かしくて

いえ 星なんて 見えなくっても
良かったんだ
あなたと 二人
大切な 思い
握りしめた 場所だったから

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 ごわごわ Copyright 藤鈴呼 2010-07-20 19:59:35
notebook Home 戻る  過去 未来