Undone
寒雪



しゃぼん玉が弾ける
思い出せない昔の夢だ
もう
差し延べられる手は白く塗装された
僕のために建てられた記念碑


絡め合うカラダ
メンソール味のキス
きみの口から漏れる
甘い吐息と
ぼくの皮膚から立ち上る
白い湯気が
微妙な角度で交じり合う
刹那
ぼくらは嗚咽を上げる


夕陽がゆっくり
闇に追われるように沈む
その時
おまえの爪先を
おまえの愛撫を
おまえ自身を感じられれば
 おれは堕落していくだろう
  そうありたいと望むだろう


目前の希望や絶望には
めくらであっても構わない
二人がひどく孤独で孤立しても
おれを引き裂くことが出来るくらい
おまえがそばにいてくれるのなら
堕ちていくことは
むしろ必然


おめでとう
ぼくらのために毒入りケーキを


自由詩 Undone Copyright 寒雪 2010-07-05 09:21:37
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