マーケットダウン
秋也

マーケットの価格と価値が上がったり下がったり
なんだ部屋で籠城している僕の気持ちと変わらない
バイアグラを注入すれば嫌でもたつ男根
何か物質的ショックがあれば
心理パニックと流れに流され
格と値は下がる
流動的で現実的で嘘つき
グラフは社会そのものでなく
人そのものだ
奏でている
円、ドル、ユーロ、豪ドル、リラ、バーツにウォンに人民元
好きなやつでいったらいい
どれも過去の偉人や建物がウエルカムしてくれる
笑ってなければ
折り目をつけて笑わせて
炎上した二棟のビルやピラミッドでも
浮き上がらせればいい
著名な経済学者だか
投資家が言った
「市場はいつでも客観的に正しい値がついていることは皆無で、むしろそれこそが正しいマーケットの形だ」
客観
客観
主観
客観にどうしても一部の主観が混じる
それは排除しがたく
僕を惑わす
部屋の扉は堅く
鍵という保証がどの程度ついているかで安心する
僕もあなたも
マーケットの一部だ
いつ誰が上場したのかわからないまま
奮闘し
1秒だって正しい評価や格づけがついていることはなく
それでも価値をあげたがる
僕も覚せい剤みたいに
1キロいくらで値がついて
好きな部分を美女や美少女にもぎ取られればよかったのに
蟻に群がれる蜜になりたいよ
わからない
わからないけど
僕だって大切にされたい
寂しいから
いつだって泣いている
扉を開けられず
今日の値も怖くて見れずに
部屋で温かい布団にくるまって
実に主観的な温度だ
涙がでなければ
快適なのに
マーケットダウン
ルームハイ
横ばいの心理グラフ
きわめて意図的に







自由詩 マーケットダウン Copyright 秋也 2010-07-05 00:18:46
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