深海
桐谷隼斗

溺れ死んだ、青
ゆらめく光が
かすかにぬめる皮膜を
捉える

窒息
沈黙

弔いの、波動
闇の中で膨張していく
朝は
海藻に慰められた

腐敗した、輪郭
沈澱していく言葉
細かすぎて
砂の中に呑まれた

孤独の底
胎児の呻き
闇は永遠に
苦痛を孕んでいる

記憶のせいで
苦しい
忘れられなくて
悲しい

今日も水面まで
届かない、泡
血ももはや
冷え切った憎悪


自由詩 深海 Copyright 桐谷隼斗 2010-06-20 00:20:40
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