たたずむ、朝
望月 ゆき

目がさめると
遮光カーテンのすそから
光がななめにすべりこんでいた
朝が
きたのだろう


ダイニングの白はつめたく
まぶたはひとりでにふるえる
カップを2つならべ
コーヒーマシンのスイッチを入れる
トースターに6枚切りを2枚
さしこむ
ジジジ、と鳴くタイマー
を背中に
たまごを2つフランパンに落とす
焼きあがった目玉は真ん中で
半分に
いつもの朝
いつもと同じ朝だ
ただ
きみがいないだけの朝だった
白くつめたいテーブル
たちのぼる湯気のむこうがわ


朝は
きたのだろう
別れたことが悲しいのではない
いつもと同じ朝だ
なにも かわらない
かわらないということは
さみしい


自由詩 たたずむ、朝 Copyright 望月 ゆき 2004-10-04 22:50:45
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