あの景
山崎 風雅

  
 ローカルな駅から乗り込んで
 
 青臭い高校生

 何かが起こる期待と不安に微奮いしながら降りたネオンの四条

 ちっちゃい肝っ玉を隠すために飲め飲む酒で
 まだ女も知らない友達同士
 夜の木屋町を歩けることが大人なんだと
 勝手な思いこみ思い違い

 ふたりで並んで歩けても
 誰かとすれ違えば歩けない狭い路地

 気が迷った志士が飛び出してきて斬りつけられそうな恐怖が
 あの夜の街に漂っていたのがどうしてなのか 今でも分からない

 でも 忘れてない




自由詩 あの景 Copyright 山崎 風雅 2010-04-12 21:16:57
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