ディ・スタンス

心地よいものごとを心地よくするのはわたしの脳みそ
捕まえられない速さで電気信号が駆け抜けて
きみの指は
きみの声は
わたしによってわたしにとって意味を持つ


ディス・タンス

手に取りやすいことや
目につきやすいもの
ちょっとのあいだ夢中になったものばかりで
すぐに毎日がいっぱいになってしまうので
奥のほうに追いやられた淡い期待が
いつまでもいつまでも押しつぶされている
いつか、いつか、なんていって
ずっと完成されない夢


ディスタ・ンス

すっと止めた息のあとのためいき
それは、
つんとして
凛として
浮かぶふきだしのひとつ
ただの呼気よ、
やがて
ちきうのどこかに見えなくなってしまう


ディスタン・ス

群れになってわたしを追いかける青い髪の少女たち
エプロンドレスとほうきがチャームポイントで
わたしを掃いて
どこまでも掃いて追いやるのだ
さて、どこへ追いやられよう
もしも希望をきいてくれたなら
ちきうのホールの内側へ
どうぞおねがいします


ディスタンス

気持ちを調理して冷凍して出荷する
解凍後は、どんな味か、わたしにも分からない
君に届くころ
文字信号になって光って飛び回る
ちきうは脳みそです