光りの肌着(十)
信天翁

光りの肌着を
灯りのパジャマと着替えるとき
くらしのかおりは消え失せて
腐りかけたくだものの匂いだけが
洗面鏡のうらから漏れ出してくる
あゝ・・・・・・
追っかけられることはあっても
追いかけるものがない もうおれには
青い「時」に振り向きもされないから
   赤い「空」から囁きもされないから

           (2010/2/3/節分)


自由詩 光りの肌着(十) Copyright 信天翁 2010-03-04 15:27:41
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