春の冬
ススメ

いつだってどこか抜けている
春がもう鼻先にでもきてくれないと
その存在をいついつまでも忘れたままだ
それだから僕の冬は長いんだ
嫌いではない
だけどいつだって飽きている
なのに思い出せない
いつもその時までは
突き抜ける樹氷の空は
あの子の頬を染めてくれるし
ぬかるんだ泥の感触に
少年時代を思い出す
振り乱す白い風は
ゲイラカイトを海の彼方まで連れて行ったっけ
いつもこんな風に
春に冬を思い出してる僕は今
どちらの季節に居るのだろうね


自由詩 春の冬 Copyright ススメ 2010-03-04 13:14:27
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