光に立つ
番田 

寂しいだけの人間として決めつけられたのだろうか
何も知らないけれど 自分とは 人間ではないのだと知っている
それとも 言葉を過去として 決めつけていくだけの歌を
僕はどこかに歌いに出かけて
何ひとつ歌わずにそこから帰ってきた

寂しいだけの僕は 僕の姿が出てくる光景を そこに見た
僕とは一体なんなのだろう それとも
あれは僕だったのだろうか 言葉のかけらすらもみ消されていく
深夜は 鳥たちの飛び立っていくような音楽が聞こえる
船が そこに静止したまま横付けされている 港は
工場のあの光だけだから いない僕自身としてとても虚しい


自由詩 光に立つ Copyright 番田  2010-02-09 00:58:26
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