葬列の夢
智鶴

隙間の空いた小さな窓辺に
虹色素敵な貴方がいるの
こんなに歪じゃなかったのに
貴方が括った鎖のせいで

凍えそうな真昼のお天気でも
傘は要らないの
雨が降って私を濡らしても
傘は欲しくないの

隙間の空いた私の葬列
誰からともなく倒れていくの
漆黒素敵な私のベッドも
隙間風が少しだけ寒くなって

震えている夜中の満月にも
息は託せないの
哀しくないのは嘘じゃないけど
貴方が何処に居るか分からなくて

あんまり貴方が優しいから
夢も見れないわ
未だ幻覚を纏った私を
殺してくれないのね

夢から覚めた私は泣いて
透明儚い溜息を吐く
偽物なら幾らでも暖かく
私の亡霊を慰めてくれるのに

此処を見てよ
私はまだ生きていて
泣いているの
夢を見ていたいの
運命さえ変えてみせて
夜の中に浮かべてみせて


自由詩 葬列の夢 Copyright 智鶴 2010-01-27 23:45:44
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