新しい季節へ 
服部 剛

「おやすみタイマー」の時間が切れて 
はぁ〜・・・っと暖房は息を吐き出し 
お役御免、の佇まいで 
部屋を静寂が、支配する。 

その割り切り具合に何故か 
好感を持つ、夜のひと時。 

年の瀬の仕事を休んだ
病人の僕は、今夜も眠れぬまま 
ベッドの上で何かを探して、読書する 

私には腕が、二本しか無い。 
私には全ての問題に答える、口が無い。 

数え切れない言葉の羅列よりも 
時に、雄弁なる沈黙を、私は望む。 

思いでの時間は過ぎ去り 
盃を交わした友の名さえも 
この手から緩やかに手放せば 

それぞれの場にやがて 
それぞれの春が、巡り来る 





自由詩 新しい季節へ  Copyright 服部 剛 2009-12-31 14:55:50
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