初恋
ミツバチ

砂に埋もれていく
記憶の再構築
あなたの悲しげな瞳が
頭の片隅に

何度も巻き戻していたかった
擦りきれたテープのように
ぼやけても色褪せても
あなたの肌の感触は
鮮明に

時間の流れを恨んでは
無人駅に佇んだまま
冷たい線路に取り残されて
記憶の切れ端を
握りしめる

あの日満開だった桜は
今は葉も全部散ってしまって
冷たいベンチが
語りかける

「忘れられないのさ」
空は青いままで
君は今何をしているのだろう


自由詩 初恋 Copyright ミツバチ 2009-11-27 13:37:24
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