喝采
砂木

人の言葉を話さないと
人間あつかいされない
じっと警戒して息をひそめていると
けもののように狩りだされる
人ならば人の言葉を話してみろと
けだものの牙が服の下で闇を集める
それは罠になり穴になり
陥れるものは呪詛のように噂を操り
平和的に抹殺してはさわやかに笑顔でいる
笑顔を信じなくなったのはいつからか
信じないから笑顔を作る
攻撃的な平和の象徴だ
けど生きる事に夢中になるのに
誰かのゆるしが欲しいものか
信じて黙り込む事も必要だ
そして信じて意気込んで負けても
何が恥ずかしい事か
何が恥ずべき事か
記録に残るようなだいそれた人なのか
そんな人でもないし
どこからかなにかにかられ
悪い事ばかりがあるような気持ちがしても
光りあれ 光り輝いてあれ
沈黙の中におびえる眼にも
満ちるこの世にいだかれている心



自由詩 喝采 Copyright 砂木 2009-11-12 22:04:37
notebook Home 戻る  過去 未来