turn down day
フミタケ

どこかへ行きたい
誰にも会わずに
誰かに会えた気になれる
そういう場所へ
あの娘の気配がまとわりついて
落ち着く場所を失った
電話にもでない
メールの返信もしない
誰にも会いたくない
どこかへ行きたい
ここから今すぐに飛び出して
俺を自由にしてくれる風が吹く場所へ
俺を受け入れてくれる女と出会う場所へ
誰も耳を傾けないような言葉ばかりが
胸の中を渦巻いてゆく先をなくし
いきさきもないまま深夜に車を走らせて
街頭の光が通り過ぎるにまかせ
もう何もかもが遅すぎる
あらゆるものを覆い隠して
街の灯りがキレイだよ
どこかへ行きたい
静かで、寂しくもない場所へ
俺は知っている道を
行き先の知れた道を
見飽きたような風景の中を
ただぐるぐる回って
もといた場所に戻ってくる
そんなつもりじゃない
そんなつもりじゃないのに
ただ動きつづけるだけが精一杯で
月は音もなくついてくきて
どんなにスピードを上げても
胸の中に吹く風がやむことはない
突き動かしていたのはなんだったんだ?
そんなに簡単なものだったのか
いつまでこうしていればなくなるのかな
でもずっとそうしてはいれなくなるだろう
ここがどこだか分からなくなって
だんだんと口数は減っていく
ただぐるぐる回って
もといた場所に戻ってくる
ここがどこだか分からなくなって
だんだんと口数は減っていく


自由詩 turn down day Copyright フミタケ 2009-10-19 21:54:13
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