とうめいピース
umineko

地面に
へたり込んで空を見る
空は
少しだけ遠く
夕焼け雲を連れてくる

犬の目線
猫の目線
カエルの目線
車の目線

テニスコートの
そばの車道で
ぼんやり
身体を投げ出して

歓声が
わんわんわんわんこだまして

はは
終わったな、と
思う
思えば
思うとき

かなしみも
落胆もない
強いて言えば
とうめい

私のいない
世界は続く

アリの目線
草木の目線
打ち捨てられた
タバコの箱と

私は
どこが違うんだろう

青くにじんだ
平和の鳥と
いったいどこが違うんだろう

迎えの車は
もうすぐここへ
動かない
私の足を載せ


 


自由詩 とうめいピース Copyright umineko 2009-10-11 23:59:32
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