気付けば漕いでた
ブランコ ぶうらん
始まり無い終わりも無い
背景
満月
ブランコ ぶうらん
逆上がり浮腫む半身
くの字の両脚激しく痺れ
血が巡らずに鼻から出血
ぶうらん ポタリ ぶうらん ポタリ ぶうらん 冷たいブランコ 固定


落っこちそうな両の眼で
逆さまビル群 眺め見てやる
ぱっくり出血止まらない
流したくもない涙で濡れたビー玉みたいな透けた眼で
通行人も捉えて見てやる
「冷てえな！」って
俺の血が頭に当たってんね！
可笑しいね可笑しいね！


天啓か点景か
サーカス好きの俺に対する粋な計らいかよ？
空中ブランコに乗せるなんて
気付いたら地獄だぜ
愛想の無い月
凍った足先
話し相手のいない空中ブランコ


気付けば漕いでた
ぶうらん ぶうらん
始まり無い終わりは無さそう
俯瞰視点を手にしただけで
脚はもはや無痛になってて
気を抜いたら落っこちそうだぜ
腹もすいた
３日以内でお終いさ
お終いにしてくれよ
ぶうらん ぶうらん ぶうらん ぶうらん
ぬいぐるみでも代わりに乗せろよ