活字
柚木

つまりは
画面いっぱいに広がった活字を読むことができない
というのは文字に対する冒涜である
と せんせいは
鉛筆と紙を手にし声高に叫ぶ

そこで
無機質な文字には興味がわかない
というのは活字好きにとっては当然のことである
と わたしは
ブラインドタッチをしながら静かに諭す

しかし
活字は快活でなければならない
というわけで 画面に躍る文字というのは正解であろう
と せんせいは 鉛筆をくわえたまま唸る

よりも
活字はいかに活きているかが大事である
というわけで 人の手で書かれた物には重要な意味がある
と わたしは 印刷をしながら呟く


ようするに

ようするに


わたしは せんせいに 読める文字を書いていただきたい

毎度毎度
打ち直しをするのは私の仕事なわけで
と 口には出さないまま

せんせい の ことば
と えがお に
なんだか誤魔化されている気がするわけだ


自由詩 活字 Copyright 柚木 2009-09-15 10:27:32
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