アルビノ
ゴースト(無月野青馬)

洗練潔白であって
誰からも気に入られた
両性具有の子


孤児のようで、令嬢のようで、
快活のようで、冷淡のような、
両性具有の子


初めから大人の社会の中に置かれ
交わる言葉を学ばされ
暗号方式の繋がりを強制された
両性具有の子


レートの上がっていく子
熱帯魚を好み、ピラニアも好むように生育され
スナッフビデオのような劇場の中で
ホームビデオのような蝋人形にもなる


心のある青年が
子の前に現れても
水槽に入れてしまう
ピラニアに喰われ
肉片と化す
心のある青年が
喰い尽くされる様は
同じ目に遭った子に癒やしを与えた


子に痛みを喚起させるから
子にとって他人は大事だった


他人が痛みを感じる度
他人の苦痛に喘ぐ表情を眺める度
子は自分が人間なのだと理解が出来た


白い肌、白い髪の
両性具有の子
デザートイーグルを持っているような大人達から
これが現実だと教え込まれた
これが真実だと教え込まれた


子に判別は
まだ出来ない
子のビデオも出回っているらしい


この話自体が
嘘かもしれない
妄想かもしれない


まだ判別の出来ない
心の話かもしれない






自由詩 アルビノ Copyright ゴースト(無月野青馬) 2009-09-09 00:10:15
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