狂気
テシノ

全てが終わったかのように
しかしただ何かが足りない
まるで秋のようだ
熱も
冷気も何処へも達しない

諍いのあとの嬌声が
言葉の無意味さを裏付ける
それでも全ては解決せずに
欲望もまた無意味となる
無意味さを重ねて意味をはかれば
それは壁のようにそびえ立ち
逃げ出す術を知りつつも
終わりの内側へと留まる

全てが終わった秋のような日に
人はそれでも
足らぬ何かを探す狂気だ


自由詩 狂気 Copyright テシノ 2009-08-26 23:21:48
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