ねこっ
小川 葉

 
 
ひざの上で
猫が
ねこっ
としてるので
私も
ひとっ
として
喉を撫でる

ひざを離れ
ねこっ
としたまま
窓から出ていくと
ひとっ
として
さみしくなる

今も
ねこっ
としてるのか
ひとっ
として
心配でたまらない
気持ちなど
知らずに

ある朝
ねこっ
と帰ってきた
ひとっ
として悲しんだ
私よりも
はるかに厳しい
傷を負って

それでも
ねこっ
としてるので
薬と飯を準備する
ひとっ
として
 
 


自由詩 ねこっ Copyright 小川 葉 2009-07-29 01:54:10
notebook Home 戻る