午後四時十七分の雨
たりぽん(大理 奔)

シュークリームが
雨にうたれて溶けだしている
道端のくぼみで
まつげの長い女が
バスに乗るときに落としていった
シュークリームが

溶けて流れ出している
甘い、いくつかの体液
何もかもがとけていく
危険な梅雨の終わりに
遠くで、足下で
夏を迎え入れる儀式は
いつも失う暗い雨

ショートパンツの女が
ステップで靴を濡らし
もう、シュークリームではない
なにかが



自由詩 午後四時十七分の雨 Copyright たりぽん(大理 奔) 2009-07-26 00:49:45
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