修理
しろいろ




「この深い泥の中から拾い上げた錆びたマイクで自己紹介です」


胸と胸を押しつけても重なれなくて 鼓動の数は決められていて


灰の舞うプラットフォームを走りだせばほろびる前の二人に会える?


アルカリの雨が人形を濡らしてく 街 排気筒の足りない体


さみしいとき、わたしテレビのブラウン管の分厚いぶぶんを抱いてねむろう


水洗いすれば食べれる? 複雑に傷んだ果実でゆけるとこまで


ガードレールは湾曲していく (詩が今日も私の隣になまぬるく在る





短歌 修理 Copyright しろいろ 2009-07-16 19:18:01
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