サイクロプスの孤独
しろいろ




(足のとれたピーターパンの人形が積もった埃の下で見る夢)



途切れがちな点字ブロック跨ぐ夏 雲の向こうに打ち寄せる青




内側にはびこる針の芽を撫ぜて微かな痛みがわたしをつくる

むちゃくちゃに傷つけたかった(ひとりではかかえきれない過剰な満月 

救助艇はしずかに難破するだろう (この身ごと いっそ もうこの身ごと)




世界は500メートル/秒で回り ただいっしゅんかんのキスのえいえん



ラミネートされた孤独を買い上げてロフト5階の破壊工作



プラスチックのきれはしみたいなこの街ではぐれぬために絡ませる指







短歌 サイクロプスの孤独 Copyright しろいろ 2009-07-05 19:49:12
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