「41歳の春だから」このCMからすべては始まった
初代ドリンク嬢

誰のものともわからない唇が
私の背中を通る


このように
戦ってきたけれど

何と戦ってきたのだろう?

垂れ下がる乳房
力をなくしていく腕

もう
遠くには飛べない

昨日
いっぱいキスをしました


狭き門を入る予定でした

あのね
甘えてもいいですか?



青春の光のような太陽の惰眠のなかで
戦いを忘れてしまう


今日は新しい下駄で出かけました
紫の鼻緒がついた
手作りのちょっと高級なやつ

カーペットを洗わなければ
夏が近づいてくる

私には
三つの罪があります

鮎つりの季節


私はキスが好きです

川の流れが
私のキスの真実も連れて行く


遠くへ行ったあのあどけない少女は
今は
幸せに暮らしていると聞きました

誰かに殺されるまで
三つの罪をもって
負けてしまうのか?

「わさびをほおばっても
浄化はされないのだよ、君」

お願い
ちょっとだけ
甘えてもいい?

炭酸を飲み干して
大きなげっぷを出そう
腹の中の蛆虫が浄化されるかもしれない

惰眠の中で
私は
キスをいっぱいした

そのまま
そのまま


自由詩 「41歳の春だから」このCMからすべては始まった Copyright 初代ドリンク嬢 2009-07-08 11:44:57
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