塩の町の赤い家
初代ドリンク嬢

 その町は、塩で出来ていた。


塩で覆われた町は
夏なのに雪で覆われたように白い




塩の町の
美しい庭を持つ一軒の家
美しい庭には緑のつやのある植え込みがある

家の中は赤く赤く
美しい女主人は赤い赤い着物を着ている

塩の町の真中にそれは立っている

女主は赤い紅の唇で
タバコの煙をフーッと吐く

私は
赤い家から逃げ出さなければならない

小川を通って、
赤い着物を着せられた私は逃げなければならない。

塩の町では赤い着物は目立つから
私は裸で逃げ出そう

塩の道は走りにくく
塩の風は肌に痛い

私は逃げなければならい
赤い家から
塩の町から

さあ
今だ


自由詩 塩の町の赤い家 Copyright 初代ドリンク嬢 2008-06-23 00:25:30
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