灰に埋もれた日常のスケッチ
熊野とろろ
洗濯で私の衣類は摩耗し
洗練から遠ざかっていく
途轍もない落差のフォークボール
私はいつの間にか捕手になり
日々の倦怠からサインを送らなかった
こうした私の一切の冗談を排した
しかしファストフードと呼ぶにも相応しい
時間との心中行為
消費されることを頑なに拒む
デジタル処理された右腕
しばらくの業務はこれまでです
しばらくの業務はこれまでです
劣悪極まりない心的興奮
止められない衝動に
左右が欠落してしまい
家からほど遠く離れた土地にいました
それ自体に大きなメッセージが
たとえばジミヘンがステージで
ストラトキャスターを燃やしたような
伝説めいたことは無きにしろ
克明に語り継がれている私と
私の周りの今や亡霊たちの
送別会にこの詩が代わることを祈る
それ以前そして以後に経験した
偉大なる先人たちの教えに倣い
ただひたすら倣いごとと倦怠の間で
摩耗していくだけの記録を
ああ「研磨」の方が格好ついただろうな
同じく「ジャンク」フードの方が野蛮で
晴れわたるイエローな時代に
いとも簡単に無法者の装いで
混乱の荒地を闊歩してやろうという気にもなっただろうに
この虹色のペンシルで
ここは格好をつけて灰色のクレヨンで
どこにいるか測定不能の自分の為の
スケッチは続く
人類史上未到の領域に精一杯の
不動の愛をこめましょう
悲しみまで多く満ち溢れ
遠く遠くの
太陽と海が交わるところで
過ぎ去ることを蒸発させる
ようやく私は業務から解放された
ようやっと私はひとつの浮遊体としての
少なきにしろ途絶えることなく繋がれる
至極の愉しみに埋没することができた
この終わることを知らない
永遠という幻想に留まらない
灰に埋もれることを具現化した
私の僅かにか細い
かわいらしいスケッチ
いささか変革の風はみずからに
吹きすさぶはずであることも理解の上
コラージュではなく
十月の大気の不穏さのような
私だけに限られて発信される
「指名」そして
不可避であるノスタルジーへの誘い
ここで述べられる以外の
多くの失った時への思念
インストールのリズムに乗って
抜き差しならないあの感覚は
ひょっとして爆発なのでしょうか
当てつけに伝導させる
屍がこのアパートの二階くらいの高さ
子どもたちがシャボン玉を見上げるように
絶えず不意でした
時空を超えて垣間見た
混濁する私の古い友人たちにとっても
邪魔くさくナンセンスであるのだが
それはあなたの影でした
何かを探すわけでもなく
空を見つめていたのは
あなたの策略だったのでしょうか
考えているとどうしても
無駄にしか思えないその空間に
未来の言葉をねじ込んで