まばゆい闇
吉岡ペペロ

ねばい黄色い熱が

女たちの声に裂かれている

それはずいぶん

長いあいだ裂かれていた

腐りはじめた原色

そのひかりが黒に吸われている

まばゆい闇の中で

彼女のことを思い出していた


アキレス腱を切られた少女は

彼女は欠落したものが多かった

彼女のまわりもまた多く欠落していた

少女だけが惨劇に見舞われたのは

彼女なら言うだろう

あたしはいつも、最善だから、


ねばい黄色い熱が

女たちの声に裂かれている

それはずいぶん

長いあいだ裂かれていた

腐りはじめた原色

そのひかりが黒に吸われている

まばゆい闇の中で

彼女のことを思い出していた


自由詩 まばゆい闇 Copyright 吉岡ペペロ 2009-05-17 14:39:57
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