ヒート
石畑由紀子
くちばしで穴をあけ幹に棲みます私そのように君に棲みます
熱病に抗えぬまま君に手をのばす殉職への序章(プレリュード)
なにひとつ約束はない 安定の利いたシャツを剥ぎからまる逢瀬
やさしいね海老天ぷらの半分のすり身のように口づけるひと
みぞおちで燃える氷に指先の皮膚を削がれた共犯の朝
短歌
ヒート
Copyright
石畑由紀子
2009-04-02 23:45:17